イメージ画像 フィリップス夫妻 & ガードナー夫妻

『高慢と偏見』にはエリザベスの母方の親族が2組登場します。

ベネット夫人の妹夫妻(フィリップス夫妻)と弟夫妻(ガードナー夫妻)。

エリザベスとダーシー氏の恋の運命を大きく握るのはガードナー夫妻ですが、フィリップス夫人もいい味を出しています。

フィリップス夫妻 ベネット夫人の妹夫婦

ベネット夫人の妹夫婦。エリザベスの叔父と叔母にあたり、メリトンにて弁護士をしていた夫人の父の後継人。

家が近いため、ベネット家の娘たちはこの叔母の家へよく遊びにでかけます。また、その途中エリザベスたちはでウィカムと知りあいました。

ベネット夫人とフィリップス夫人は姉妹なだけあって性格がよく似ており、二人で合うとうわさ話に花を咲かせています。

一方、フィリップス氏は名前だけしか登場せず、寂しい存在ですね。

ガードナー夫妻 ベネット夫人の弟夫婦

ベネット夫人の弟夫婦。エリザベスの叔父と叔母にあたり、ロンドンの裕福な商人。

上品で良識のある夫妻。エリザベスがペンバリーへ旅行に行き、ダーシー氏と再会するきっかけを作った夫婦。

また、リディアがウィカムと駆け落ちをしたとき、表面上、二人を結婚させ、ベネット家を助けた夫婦として認識されています。

『高慢と偏見』の最後はこのように結ばれています。

ガードナー夫妻と、ダーシー夫妻は最も親密な交際を続けた。エリザベスはもとより、ダーシーも心から夫妻を愛した。二人にとって夫妻は、エリザベスをダービシアに連れて来て、自分たちが結ばれるきっかけを作ってくれた大切な恩人であり、その恩人に対する心からの感謝を、二人はのちのちまで決して忘れなかった。(p660)

エリザベスにとってガードナー夫妻はダーシー氏に対して「ベネット家の一族にだってまともな親族がいるのよ!」という証でもあり、ダーシー氏もエリザベスを見直すきっかけになったに違いありません。

昔も現在も母方の親戚(?)

『高慢と偏見』には父方の親族はほとんど登場しません。例外はコリンズぐらい。

ダーシー氏の方も母方の叔母レディ・キャサリン・ド・バーグが登場するぐらいですね。

一家の家政を握る母にとっては自分の親族のほうが付き合いやすいのでしょうかね。

ジェイン・オースティンの頃からその事実は変わらないんだな、と妙に感心しました。もちろん、個々によって異なるでしょうが、結婚して妻になっといえど女性は夫方の親族より自分の親族のほうが付き合いやすいんだなと感じました!

そして、それが子どもに引き継がれていく、と。

ジェイン・オースティンもこうした親族付き合いの中、生活を

この親族の付き合いをみているとジェイン・オースティンもこうやった密な親族の付き合いの中、小説を失費したのだろうと想像させられます。

『高慢と偏見』作者、ジェイン・オースティンとその生涯

そして、それらがすべて物語の糧になったのでしょう。

フィリップス夫妻とガードナー夫妻は誰がモデルに描かれたのでしょうね。そういうことを考えるのもまた、ジェイン・オースティンの世界を楽しむ一つの方法かもしれませんえ。