キャスリン(キャサリン)はベネット家の四女、愛称はキティ。
末娘のリディアと常に一緒に行動をしており、おのずと物語の中での扱いもそのようなものになります。しかし、キティはリディアほど愚かではない、として救いもあります。
キティは全体的にリディアの陰に隠れてしまい、存在感の薄い娘ですね…
『高慢と偏見』におけるキティ・ベネット
「どうもお前達の話しぶりから察するに、お前達二人は頗るつきの大馬鹿娘だな。予てから薄うすそうではないかと思っていたが、今やはっきりと判った」
キャサリンは面食らって返辞が出来なかったが、リディアの方はまったくの馬耳東風。カーター大尉って素敵な人よ、とか、あの人は明日の朝ロンドンへ行くの、今日のうちに会いたいなあ、などと、けろりとしたものであった。(p59)
とにかく、リディアと一緒に扱われているキティ。
メアリほどの個性もなく、かといってリディアほどの無鉄砲さもなく、普通の若いお嬢さんという印象。
キティーは多くの時間をジェインやエリザベスの許で過ごすようになり、おかげで得るところが非常に大きかった。これまで附合っていた仲間よりも遥かに優れた人達と交わることで、人間的に一段と成長したからである。もともとリディアほど手に負えない我儘娘ではなかったから、リディアという悪しき見本から離されて、然るべき監督の下で適切な注意を受けるようになると、以前ほどいらいらしなくなり、無知で鈍間な感じもしなくなった。(p655)
キティは結婚するのか、否か?
わたしの中でこの後、リディアはジェインとエリザベスのいずれかで若い紳士にめぐり逢い、結婚するんだろうな~と思いめぐらせています。
が、『高慢と偏見』の続編を描いた作家によっては半々ぐらいの割合ですね。
皆さんはキティが結婚すると思いますか?それともしないと思いますか?
キティ役を演じた女優
『高慢と偏見』(1940年) | ヘザー・エンジェル( Heather Angel ) |
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『高慢と偏見』(1995年) | ポリー・メイバリー( Polly Maberly ) |
『プライドと偏見』(2005年) | キャリー・マリガン( Carey Hannah Mulligan ) |
『高慢と偏見とゾンビ』(2016年) | スキ・ウォーターハウス( Alice Suki Waterhouse ) |
ベネット家の姉妹の内、一番印象が少ないのはキティでしょうか。
三女メアリほどの個性もなく、常に末娘キティと一緒になって騒いでいる四女。おのずと、どの作品でも印象が非常に薄いですね…
本で見ても、映像で見ても「メアリはどこにいたっけな?」と困惑する始末。
結果、キティと言えば、ベネット氏に「どうしようもない馬鹿だね」と言われたときに、メアリの横で驚いていたシーンと、ミセス・ベネットに「咳がうるさいわ」と怒られていたシーンしか覚えていません…
この中で今、一番輝いているのは『高慢と偏見とゾンビ』のスキ・ウォーターハウスでしょうか。
でも、個人的には『プライドと偏見』のキャリー・マリガンを推したいですね。女優としてのキャリアの積み重ねが違います。
尚、オースティン作品として下の『ノーサンガー・アビー』にもイザベラ役で出演しているようです。
『17歳の肖像』も鮮やかでおすすめ。
カズオ・イシグロ氏の『わたしを離さないで』にも出演。
個性があるようで、個性がない。ちょっと埋没するようなところが使いやすい女優さんなのかもしれませんね…!