映画『ジェイン・オースティンの読書会』2007年/アメリカ イメージ画像

『ジェイン・オースティンの読書会』は2007年に公開されたアメリカ映画。

『ジェイン・オースティンの読書会』作品情報

原 題 The Jane Austen Book Club
監督・脚本 ロビン・スウィコード
製作年度 2007年
上映時間 106分
製作国 アメリカ
原 作 カレン・ジョイ・ファウラー『 ジェイン・オースティンの読書会
撮 影 ジョン・トゥーン
評 価 Yahoo映画 3.86
映画.com 3.3
Filmarks 3.5
公式サイト http://www.sonyclassics.com/thejaneaustenbookclub/

※データは2019年7月4日現在のもの

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あらすじ

離婚歴6回の女性バーナデットは、愛犬を失った友人のジョスリンを励まそうと、『ジェイン・オースティンの読書会』を企画します。

彼女は「オースティンは、人生の最高の解毒剤だ」と常々、考えていたからだ。

一方、その頃、ジョスリンの親友シルヴィアも、ちょうど夫から「他に好きな人ができた」と告げられ離婚危機に陥っていました。

また、趣味の合わない夫より18歳の教え子にときめいているフランス語教師のプルーディー。恋多きシルヴィアの娘、アレグラ。最後はジョスリンが見つけた、唯一の男性にしてオースティン初体験の青年、グリッグ。

『ジェイン・オースティンの読書会』に参加する、6人のメンバーがようやく揃います。

そして、毎月1冊、各人の家でオースティンの本に関するディスカッションを行うと同時にそれぞれの気持と生活、人間関係が複雑に交錯していきます。

そして、最後に待ち受けているのは?

そもそも「読書会」とは?

この映画が撮影されたころ、アメリカのミドルクラスの女性たちの間で読書会なるものが流行ったそう。

内容としてはこの映画『ジェイン・オースティンの読書会』に書かれていたことと大きな違いはありません。

  • メンバーは10人前後
  • 各メンバーが会場と食事を提供
  • 前もって指定された本を読みこんでおく
  • 当日はその本に関するディスカッション

なんだか非常に楽しそうで、わたしも機会があれば主催をしてみたいものですね。

日本の場合だと各自の家では厳しいかな、と思いますので、どこかカフェとかを借りてやると楽しいかも。

予告動画

原作

著者はカレン・ジョイ・ファウラー、2004年刊行。

SF作家として活躍後に本書『ジェイン・オースティンの読書会』を執筆し、これが大ベストセラーになりました。

今は中古本しか流通していません。テーマがテーマですので、お近くの図書館でも借りられるのではないか、と思います。

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キャスト

読書会のメンバー

バーナデット(6度の離婚歴) キャシー・ベイカー 『高慢と偏見』
ジョスリン(ドッグブリーダー、独身主義) マリア・ベロ 『エマ』
プルーディー(フランス語の教師) エミリー・ブラント 『説得』
シルヴィア(夫に離婚を言い渡される女性) エイミー・ブレネマン 『マンスフィールド・パーク』
グリッグ(SFファン、ジョスリンに誘われる) ヒュー・ダンシー 『ノーサンガー・アビー』
アレグラ(シルヴィアの娘、同性愛者) マギー・グレイス 『分別と多感』

その他

トレイ(プルーディーを誘惑するハンサムな18歳) ケヴィン・ゼガーズ
ダニエル(シルヴィアの夫、アレグラの父親) ジミー・スミッツ
ママ・スカイ(プルーディーの母親、ヒッピー) リン・レッドグレイヴ
ディーン(プルーディーの夫) マーク・ブルカス
サマンサ・イェップ(医師、後にアレグラの恋人) グウェンドリン・ヨー

月ごとのオースティンの本と会場、そして意見

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2月 『エマ』

会場はジョスリンの家。犬がわんわん。

本のテーマは『エマ』。印象的なセリフ。

「エマとナイトリーには情熱は感じないわ」

「不倫は常に敗北」

「典型的な男ね。惚れた女には身勝手なのよ」

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3月 『マンスフィールド・パーク』

会場はジョスリの家。

「弱い伴侶は破滅の元よ」

「人気投票をすればエリザベスが1位、ファニーは最下位ね」

「オースティンは伊達男に厳しいのよ」

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4月 『ノーサンガー・アビー』

会場はグリッグの家。

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5月 『自負と偏見(高慢と偏見)』

会場はどこかのパーティ会場。

「不幸な結婚の後、人は賢くなる、気づいたときには手遅れ」

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6月 『分別と多感』

会場はケガをしたアレグラの病室。

「マリアンと大差の結婚も唐突だと思わなかった?」

「作者にとって女は25歳で終わりなのね」

「これはルールブック?孤独ゆえに恋を描いたのさ」

「ルールは不要、いいわね」

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7月 『説得』

会場は波が穏やかな海辺。

「作者は男にきちんと語らせる」

「よく書けた手紙の力は侮れないわ」

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『ジェイン・オースティンの読書会』ネタバレありの感想

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映画として普通に面白い、と思っています。

最後は想像以上に満点の終わりで「これぞ、ジェイン・オースティンの世界よね」と受け止めました。

そこに至るまでの濃密な人間関係、互いに相手を思いやり、いたわる憧れのような人間関係にもうっとりと。

とはいえ、実際のところ、わたしにはここまでの濃い友情関係はなかなか難しいわ、とため息をつかされました。

出演する女優や俳優がそれぞれはまり役なのもよかったですね。

個人的にはグリッグを演じたヒュー・ダンシー(クレア・デインズの旦那さん)がさほどイケメン、として出てこなかったのも良かったです。

母性本能をくすぐる、ちょっとなんだか気になる年下の男の子感がツボにはまりました。

一方、プルーディーを誘惑した18歳を演じたケヴィン・ゼガーズも別の意味で年下の男の子感があってドキドキさせられました。

グリッグが用意した分厚い本

この映画が作られたのは2007年。

もし、今作られたのなら、グリッグが持ってきた本はタブレット端末だろうか?などと思いを巡らせました。

皆が皆、紙の初期を愛用していることに時代を感じましたが、今でも本は紙でないと!という人が多いのかもしれませんね。

かくいう管理人もその一人です。タブレット端末で読むのは漫画ぐらいですね。

プルーディーのセリフ『ジェインは結婚後を描かなかったわ』

胸に響くセリフはいろいろとありましたが、個人的に一番印象に残っているのは夫との関係の構築に傷ついているプルーディーの『ジェインは結婚後を描かなかったわ』でしょうか。

そう言われてハッとしたのですが、確かにジェイン・オースティンの小説は結婚するまでが主題になっているんですね。

そして、ヒロインは王子様、と結ばれました、と。必ずハッピーエンド。

でも、現実には結婚後の生活もあるわけです。

夫との趣味の違い、価値観の違いや18歳のハンサムな男の子の誘惑、ヒッピーの母親への反感に悩むプルーディーは結婚後の生活にもがき苦しんでいます。

そして、結婚生活における悩みはプルーディーだけのものではありません。

シルヴィアは夫の浮気により、一方的に離婚を言い渡され、バーナデットに至っては6度も結婚と離婚を繰り返しているのですから…!

ジェイン・オースティンが続編や結婚後の生活を描かなかったのはそういう理由があるのかもしれない、とふと考えさせられました。

あなたはどの女性に心惹かれましたか?

夫婦関係ではプルーディーの言葉にぐさりと来ました。

確かにオースティンは結婚後を描かなかった、と。恋愛は浮かれるものであり、結婚生活は現実なのだ、と改めて気づかされました。

そういう意味ではシルヴィアの離婚の話も胸に迫りました。

そんなわたしが憧れたのは作中で7度目の結婚を決めたバーナデットですね。あれぐらい軽やかに結婚も離婚もできるとなんだかよさげですね。

深く重たく考えずに軽やかに、と。

わたしも読書会がしたくなる

先ほども書きましたが、わたしも読書会をしたくなりました。

ジェイン・オースティンに限らず、テーマを絞って、読書のことだけを話す場を設けたくなりました。このブログがもう少し軌道になれば募集をかけてみようかしら?とひそかに企んでいます。

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小説も普通に読みやすくて、面白いです。やや映画と異なる部分もありますが、さほど違和感は感じませんね。

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