イメージ画像 女性と本

2008年にBBCで放映されたTVドラマ『ジェイン・オースティンの後悔( Miss Austen Regrets )』。

アン・ハサウェイが出演した映画『ジェイン・オースティン 秘められた恋( Becoming Jane Austen )』がジェイン・オースティンの若いころを描いたのに対して、こちらはどちらかというとジェインの人生の後半を描いています。1802年(ジェイン・26歳)から亡くなるまで(41歳)まで。

そして、姪のファニー・ナイトの結婚相手を決める手助けを描いています。

物語にはジェインと生涯生活を共にした姉カサンドラや母カサンドラ・リーはもちろん、ファニー・ナイトの父エドワード・ナイト、ジェインと仲が良かった兄ヘンリー・オースティンなどが登場します。

また、ジェインの作品の出版に関する話し合い、ロンドン滞在中のヘンリーの治療の様子や摂政皇太子に『エマ』の特装本を献上するくだりなども楽しく拝見できました。

映画『ジェイン・オースティン 秘められた恋( Becoming Jane Austen )』2007年/アイルランド・イギリス トム・ルフロイとの夕立のような恋

『ジェイン・オースティンの後悔( Miss Austen Regrets )』作品情報

原 題 Miss Austen Regrets
監督 ジェレミー・ラヴリング( Jeremy Lovering )
脚本 グウィネス・ヒューズ( Gwyneth Hughes )
製作年度 2008年
放送時間 91分
製作国 イギリス
原 作
評 価 IMDb 7.1
公式サイト http://www.bbc.co.uk/drama/missaustenregrets/

※データは2019年7月17日現在のもの

あらすじ

1802年、メニーダウンハウスで隣家の息子、ハリスのプロポーズを受けたものの、翌朝に断りの返事を入れるジェイン。

ときは流れ、12年後、今度はジェイン・オースティンの姪、ファニー・ナイトはジョン・プランプトリ氏の求愛に心を決めかねていました。

ファニーは母親を亡くしていたため、親しい叔母のジェインに何度も相談をします。それに対してジェインは「彼はあなたに初めて求愛した男性であり、それが魅力でしかないわ。あなたは彼を愛していない。愛のない結婚はだめよ」と姪を諭します。

一方、ジェインは独身でいることを家族に責められながら、執筆を続けていきます。が、ジェインの体を病魔がゆっくりと…

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予告動画

キャスト

ジェイン・オースティン オリヴィア・ウィリアムズ( Olivia Williams )
カサンドラ・オースティン グレタ・スカッキ( Greta Scacchi )
ファニー・オースティン・ナイト イモージェン・プーツ( Imogen Poots )
オースティン夫人(ジェインとカサンドラの母親) フィリダ・ロー( Phyllida Law )
エドワード・オースティン・ナイト ピップ・トレンス( Pip Torrens )
ジョン・プランプター トム・ヒドルストン( Tom Hiddleston )
牧師ブルック・ブリッジス ヒュー・ボネヴィル( Hugh Bonneville )
ヘンリー・オースティン エイドリアン・エドモンドソン( Adrian Edmondson )
医者 Charles Haden ジャック・ヒューストン( Jack Huston )

ジェイン・オースティンを演じるのはオリヴィア・ウィリアムズ。

調べたら、映画『シックス・センス』でのブルース・ウィリスの妻を演じていた女優さん。ああ、あの美しい奥さん!確かに同じ顔だ!と気づきました。

また、ジェイン・オースティン原作の『エマ(TVドラマ)』にもジェーン・フェアファックス役で出演しています。

一方、カサンドラ・オースティンを演じたグレタ・スカッキはウェストン夫人役で下記の『エマ』に出演しています。

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イギリスの女優さんはジェイン・オースティンの作品に1度は出演する運命なのでしょうか!?

また、ヒュー・ボネヴィルは『ダウントン・アビー』の伯爵でお馴染みですね。

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TVドラマ『ジェイン・オースティンの後悔( Miss Austen Regrets )』のネタバレあり感想

一言でいうと面白かったです。

アン・ハサウェイの映画が若き頃に焦点をあてていたのに対して、こちらは晩年のジェイン・オースティンを描いており、この頃の彼女は作家として知る人ぞ知る存在であった様子。

ロンドンで銀行家をやっていたヘンリー・オースティン(ジェインと一番仲のいい兄)が吹聴していたようですね。また、ヘンリーはジェインの作品の出版の手助けもしており、兄と妹が作品の出版に関する会話を交わしているシーンも新鮮でした。

また、別の兄、エドワード・ナイトが「独身の妹が自ら金を稼いでいるのは世間体がよくない…」と言っているシーンもあり、考えさせられることも。この時代、女性は結婚して家庭に入ることがすべてだったのか、と。

本で得ていた知識がこうやって映像化されると新鮮ですね!

ジェインのお気に入りの姪、ファニー・オースティン・ナイト

ファニーの父親、エドワードはオースティン家から裕福な親族ナイト家へ養子入りし、結婚も一番早く済ませました。

ジェイン・オースティンが1775年生まれ、ファニー・オースティン・ナイトは1793年生まれで。ジェインが17歳の時にファニーが生まれました。

長女のファニーが10代になるとジェインのお気に入りの姪となり、ジェインはファニーのことを「もう一人の妹同然」と言っている。

また、ファニーは子供のことから日記をつけており、その日記に叔母ジェインについて触れている箇所が多々あることも知られている。

ファニーの写真は何枚か残っているようですね。

演じたイモージェン・プーツは本当にかわいくて、かわいくてうっとりとしました。こりゃ、わたしが叔母でもころりといっちゃうよ、と。

そうそう、ファニーを演じたイモージェン・プーツ、リリー・ジェームズ(『ダウントン・アビー』のローズ)に似ていません?わたしなんか一瞬、本当にリリー・ジェームズが出ているのかと思いました。

それにしてもファニーという名前もかわいい…

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ジェインの恋もさらりと触れられて…

ジェインの淡い恋愛も触れられていますね。

どこまでが真実なのかちょっと釈然としがたいのですが…冒頭のハリスのプロポーズの顛末はジェイン・オースティンファンならお馴染みでしょう。

また、ヒュー・ボネヴィル(『ダウントン・アビー』の伯爵)演じる牧師とのほのめかしたロマンスは30歳ころにあったようですね。前回の教訓を踏まえて、ジェインは慎重に断ったようです。

しかし、謎の下院議員との意味ありげなやり取りは?兄ヘンリーの医者(薬剤師?)への淡い恋も本当にあったの?え、こんなにジェインは意味ありげなロマンスを繰り広げていたの?

と頭の中が「?」になりました。

わたしの中のジェイン・オースティンとちょっと相いれない感じだったのかも…

当時、作家としてのジェイン・オースティンの知名度と人気

シリーズ作家の生涯 図説 ジェイン・オースティン』よりエマ特装本
『エマ』の特装本

このドラマで何よりも興味深かったのは作家としてのジェイン・オースティンでした。

当時、ジェインは女性の慎みとかいう理由により匿名で出版しているはずです。それでもジェイン・オースティンの名前というか存在は知られているのだ、と実感しました。

そして、皆(と言っても当時は上流階級の一部だと思いますが…!)が普通に『高慢と偏見』や『マンスフィールド・パーク』、『分別と多感』を知っていることに驚きました。女性のみならず紳士階級の人々も。

そして、こういう素地のもと、摂政皇太子への献上本とかが生まれたのか、と実感しました。

個人的にはジェイン・オースティンはもっとひっそりと田舎の片隅で作家活動をしていた、と思っていたので、ここまで彼女の存在が知られていることに驚くと同時に嬉しくなりました。

ジェイン・オースティンは自分の作家としての成功を知っており、体感していたのだ、と実感し、それはジェイン・オースティンにどれほどの力を与えたのだろう?と考えるとしみじみさせられます。死後の名声だけではなく、生きている間も名声があってほしい、と思っていましたので…

そして、ジェインに「あなたの作品は途切れることなく出版されますよ」と教えてあげたくなりました。

「当り前じゃない」

と答えるのでしょうか。

いい作品でした。

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