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雑誌「SPUR(シュプール)」のサイトがオースティンの『高慢と偏見』を取り上げていました。

共感とときめきしかない、「婚活」小説の古典

「高慢と偏見」。ジェイン・オースティンの著作で名作中の名作と言われていますが、正直、とっつきにくいタイトルですよねえ。でも、騙されたと思って読んで欲しいんです! なぜなら昔の話なのに今読んでもすっごく面白いから。サマーセット・モーム先生も「ページをめくる手が止まらない」とおっしゃったそうですが、現代人の我々もネットフリックスのドラマを一気見したり、時間がたつのも忘れてSNSチェックしたりするのと同じ熱量で、楽しめますから!

すごく乱暴に一言でいうと「ツンデレ」ラブストーリーとでもいいましょうか。舞台はイギリスの田舎。いちおう上流階級だけど上の下、という位置づけの一家に5人の姉妹がいます。長女のジェインは美人で他人を疑うことのない純真で優しい人。次女のエリザベスが主人公ですが、すごく美人というわけではないけど陽気で自身の意見をはっきり言い、機知にとんだ女の子。三女のメアリーは器量が悪いというコンプレックスから教養で勝負しようとするがいつも空回り。五女のリディアはいつもうわついていて男と買い物とゴシップのことしか考えていない。四女のキティーはリディアの影響を受けやすく流されやすい。という絶妙な設定だけでも惹かれませんか?

エリザベスと気難しい金持ちの男性ダーシー氏を中心に、妙齢の男女がドタバタするわけですが、キーになるのが当時の価値観。自立する手段がなく、土地や財産を相続する権利も限られた女性にとって、結婚は「いい夫をつかまえられなかったら飢え死にする」くらいの大問題なんです。

以下ややネタバレあります。私がひそかに前半のハイライトだと思っているのは、エリザベスの親友であるシャーロットが、中身のないおべっか使いの男性と結婚するくだり。彼女の心情の描写は圧巻です。結婚に夢もあこがれもないし、自分が真に愛されているわけではないとわかっていながらも、「結婚は目的だった」と。27歳(当時は“行き遅れ”の域に入る)で器量もよくない自分が人並みに生きる手段は結婚しかないんだから、とキッパリ。シビアな現実に対する女性ならではの腹のくくり方は、自分とは時代も境遇も違うとはいえ、わかる、わかるよ……と共感が止まらない。

とはいえ、それでも「愛だよ、愛」と言いたいのが作者のジェイン・オースティン。自身も好きではない男性からのプロポーズを断ったり、「掘り出しものをみつけるために」ダンス・パーティに出かけたり。女性が自分を大事にするためにどうあるべきか。モダンなまなざしがあるからこそ、ネット配信ドラマに負けずおとらずワクワクできる物語になっているんじゃないかと。ダーシー氏の“ツンデレ愛”にきゅんきゅんしながら、ぜひ読んでみてください。

SPUR×婚活…!

らしいですね(笑)タイトルの共感とときめきしかないという響きにもそれを感じました。わたしだけかしら?

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集英社
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管理人一言

わおーこのコラムを書いた著者と語り合いたいと思いました。

わたしもシャーロットが結婚に至るくだりはいろいろな意味で考えさせられました。

彼女の「恋愛や結婚に夢を描かない。ただ恥ずかしくなく生きていくための手段にすぎない」と割り切り方は感動させられます。

シャーロットのような女性は自分が望むものを明確にして確実に欲しいものを手に入れていくんだろうな、と感じました。ある意味、賢い女性ですね。

結婚した今となってみるとわたしもかくありたかった、と実感するところもありますが、時すでに遅し。

ルーカス家の面々 サー・ウィリアム、その妻、娘のシャーロット( Charlotte Lucas )

でも、結局のところ、ジェイン・オースティン自身はヒロインエリザベスを通して、「経済力よりも世間体よりも愛よ」とメッセージを発信しています。

が、よくよく考えると、エリザベスは物語の中で誰よりも玉の輿にのっていますね~(^^;

つまり、理想は「お金がある愛」ということね、と妙に達観させられます。

18世紀イギリス女性たちの恋愛と婚活バトルを描いた『高慢と偏見』をぜひ、ご堪能あれ。