『ジェイン・オースティン 秘められた恋』は2007年年にアン・ハサウェイ出演で公開された映画。
『ジェイン・オースティン 秘められた恋』作品情報
原 題 | Becoming Jane |
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監督 | ジュリアン・ジャロルド |
脚本 | ケヴィン・フッド、サラ・ウィリアムズ |
製作年度 | 2007年 |
上映時間 | 112分 |
製作国 | アイルランド・イギリス |
原 作 | ジョン・スペンス『 Becoming Jane Austen: A Life 』 |
撮 影 | アイジル・ブリルド |
評 価 | Yahoo映画 3.87 映画.com 3.5 Filmarks 3.6 |
公式サイト | ー |
※データは2019年7月5日現在のもの
あらすじ
1795年、イギリス。
オースティン家の次女ジェイン(アン・ハサウェイ)は、裕福で家柄のいい相手との結婚を望む両親に迫られ、地元の名士レディ・グリシャム(マギー・スミス)の甥との結婚をしぶしぶ検討。
しかし、そんな中、ジェインはロンドンで法律を学ぶ知的なアイルランド人青年トム(ジェームズ・マカヴォイ)と出会います。
田舎育ちのジェインと都会人のトム。
育った境遇の違いゆえに互いに反発しあいながらも次第に互いに惹かれあっていきますが、周囲は二人の恋を認めるはずもありませんでした。
この映画ではジェイン・オースティンが19歳から20歳にかけての叶わなかった恋が描かれています。
予告動画
キャスト
ジェイン・オースティン | アン・ハサウェイ( Anne Jacqueline Hathaway ) |
トム・ルフロイ | ジェームズ・マカヴォイ( James McAvoy ) |
オースティン夫人 | ジュリー・ウォルターズ( Dame Julie Walters ) |
オースティン牧師 | ジェームズ・クロムウェル( James Cromwell ) |
レディ・グレシャム | マギー・スミス( Dame Margaret Natalie Smith ) |
ウィスリー氏 | ローレンス・フォックス( Laurence Fox ) |
カサンドラ・オースティン | アンナ・マックスウェル・マーティン |
ヘンリー・オースティン | ジョー・アンダーソン( Joe Anderson ) |
映画『ジェイン・オースティン 秘められた恋』ネタバレアリの感想
反発からの好意。王道のラブロマンスですね。
ジェイン・オースティンが朗読している場にやってきて、「青臭い自己愛は都会者には退屈だな」とはトム・ルフロイののセリフ。
このセリフを立ち聞きしたジェインはかっとなり部屋を飛び出すシーンや森で偶然、会う場面などは『高慢と偏見』を意識しているのかしら?と思いながら眺めました。
「都会人ぶって鼻持ちならないわ。女性が少ないのに踊らないなんて…!」
このあたりはそのまま『高慢と偏見』じゃないの、と。
また、両親がすすめる富豪の男性ウィスリー氏はダーシー氏の見本でもあったかもしれませんね。
と、この映画は『高慢と偏見』ファンはもちろん、ジェイン・オースティンのファンならばたまらない作品でしょう。
夕立のような恋
トム・ルフロイとのロマンス。両親に言わせると「夕立のような恋」。
これがジェイン・オースティンにとって生涯に一度の恋と書く人もいれば、最初の初恋であってほかのも恋もあった、と書いている人もいますね。
真相はさていかほどか。
その謎と真相を追いかけるのもまた楽しいものです。
それにしても、彼との恋が実らなかったことはジェインを小説と家として大きく成長させたのだろうな~と妄想を膨らませてしまいました。
そして当時は愛さっていてもお金ゆえに、立場ゆえに結婚できなかった人が多かったのでしょうね。そして、立場ゆえに愛のない結婚をした人も多かったに違いありません。
当時の結婚とはそういうものだったのでしょう。
それにしてもジェインとルフロイの恋は切ないものでありましたことよ。
そして、ジェインと別れたのちに出世したルフロイが長女をジェインと名付けたことにも…ルフロイの奥様がこの事実を知らなければいいのですが。
ハリウッド女優、アン・ハサウェイ演じるジェイン・オースティン
個人的にはアン・ハサウェイはジェイン・オースティンのイメージではないな、と思っています。
アン・ハサウェイ=ハリウッド女優なんですね。
一瞬、わたしが知らないだけで彼女はひょっとしてイングランド生まれなのか?と思いましたが、ニューヨークはブルックリン生まれでした。
別にアン・ハサウェイでなくとも、他のイギリス人女優がいたと思うのですが・・・
一方、トム・ルフロイ演じるジェームズ・マカヴォイはとてもらしかったです。シャレた都会っ子、伊達男の雰囲気もうまくまとっており、惚れ惚れしました。
というか、アン・ハサウェイ以外は皆、とてもらしかったですね。
舞台も衣装も雰囲気もとてもよく再現されていました。
それだけにアン・ハサウェイがちょっと違うんだよな~感が目だったような気がします。
『シリーズ作家の生涯 図説 ジェイン・オースティン』よりトム・ルフロイの姿
『シリーズ作家の生涯 図説 ジェイン・オースティン』にトム・ルフロイとのロマンスが詳細につづられていましたので紹介します。
アッシュのルフロイ家のアイルランドの甥にあたるトムは、金髪で容姿端麗、しかも真面目で学究的な青年であり、ジェインよりわずかに年下で、家族に法廷弁護士になるよう定められていた。彼は1795年の秋にダブリンのトリニティ・コレッジで学位を取得したばかりで、クリスマス休暇にイングランドの伯父と伯母を訪問しにやって来たのであった。彼とジェインは12月から1月にかけて4回の舞踏会でダンスをし、”恋愛ごっこ”に興じた。もっとも二人の間柄については、オースティン一家もほぼ同様であったようだが、ルフロイ家がその恋愛ごっこが若くて文無しのカップルの正式な婚約に発展するのではないかと懸念し始める程であった。
その結果、大伯父ベンジャミン・ラングロイズの監視のもとにするために、トム・ルフロイをロンドンへ送り込んだ、とされています。
その後、わかっている限り、映画で描かれたようにトム・ルフロイとジェインが会うことは二度となかったようです。
また、トム・ルフロイが去る際に「彼が去ってもわたしはダメージゼロよ!」とカサンドラに言いきったそう。
その後、トム・ルフロイはアイルランドに帰り、法廷弁護士として成功を収めました。
ついにアイルランド最高法院判事まで登りつめ、精錬で宗教心に篤く、またロングフォードの素晴らしい領地の領主でもあった。彼は1799年にダブリンの友人の妹と結婚した。その結婚は幸せなものであったけれど、彼はジェイン・オースティンを忘れたことはなかった。そして何十年後かに甥に告白したように、最晩年までジェインを若き日の憧憬の対象として覚えていた。